
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第38章 4PICK UP御礼…☆…SS/夢見る姫君
「ヒメ、起きて」
「………」
「お昼ゴハン出来たよ」
その声で、ゆっくりと目を開けると
俺のTシャツを着た美和が、フォークをローテーブルの上に並べていた。
「最初はちょっと笑ってたんだけどね、途中から苦しそうだったよ」
「…………」
「どんな夢見てたの?」
………夢、か。
そうだよな、今美和は俺の彼女になってるけど
あの頃は……
「……美和」
ソファに横たわったまま、まだボーッとする頭。
なんかすっげー切ない気分なんだけど。
手だけ伸ばして、美和の腕に触れる。
「なぁに?」
「制服」
「え? 制服?」
「高校の時の制服、着てみて」
「…………」
暫く沈黙した後
寝惚けた俺の頭を吹っ飛ばす威力で、美和は微笑んだ。
「私、そんな趣味ないもん」
「…………」
……俺だってねぇよ。
ただ、俺は
10年前からずっと
美和が好きなだけだ。
2015/2/11
4PICKUP御礼…☆…SS/夢見る姫君
おしまい♥
