
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第32章 ♥隠れて甘いkissをして/propose2
『報道各社にFAXした通り、相手は一般人です。
これ以上の詮索はご遠慮いただけますか?』
アンジーの丁寧な断りも虚しく
マスコミは無言の隼人が会場に入るまで、ずっとその姿を追い続ける。
案の定、発表会が始まっても
質問は隼人の入籍話で持ちきりだった。
『では、せめてこれだけでも!
お相手へのプロポーズの言葉を教えてください!』
なんとか記事にしようと必死なリポーター。
共演者に笑いながら促された隼人が、テーブルの上のマイクを取った。
『……至ってシンプルですよ。
もういいじゃないですか。
そろそろ映画の話をさせてください』
痺れるような色気のある声で、隼人は続ける。
『俺は結婚したけど
今までと変わらず、見てくださる皆様に恥じぬ演技をしたい。
こうしてまた暖かく迎えてくださった関係者、ファンの方々の為にも
これからも仕事を1番に考えて、全力で取り組みます。
宜しくお願いします』
………会場内の全ての女性達が、感嘆の溜息を漏らす中で
隼人は最高の笑顔を魅せて、マイクを置いた。
