
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第31章 ♥隠れて甘いkissをして/propose1
あたしの後ろから、低い声が聞こえた。
元カレが顔をあげる。
「……離せって言ってるのが、聞こえねーのか?」
「……………っ」
その愛しい声の方に振り返ると
細身のスーツとブラックのコートに身を包んだ立花先輩が
凄まじく鋭い目で、元カレを睨みつけていた。
その手に、あたしの携帯を持っている。
「……だ、誰だよ、お前……」
自分よりも背が高く、目の前に立ちはだかる先輩の前で
明らかに動揺しながら、元カレはあたしから手を離した。
先輩は解かれたあたしの手を、そっと握り締める。
「………大丈夫か?」
「……は、はい……///」
……はいって言ったけど、本当は大丈夫じゃない。
心臓がドキドキして、今にも破裂寸前。
