
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第31章 ♥隠れて甘いkissをして/propose1
必死で耳に押し付けた携帯の向こうから、車のクラクションと人の足音が聞こえてくる。
「先輩、もしかして今外ですか!?」
『あぁ、お前は今どこ?』
「あたしは………」
「おい。
無視するなって言ってんだろーが」
「…………!!」
電話を持った右手を、すごい力で後ろから掴まれて
ねじられた腕に鋭い痛みが走り、あたしは手から携帯を落とした。
「……痛っ……」
「調子乗ってんじゃねーぞ。クソ女」
元カレはあたしの腕を掴んだまま、歩道の端に引っ張っていく。
爪が喰い込むほどの力強さに
一瞬で、体全体に恐怖が広がった。
「……や、やだ……
お願い、離してよ………」
