テキストサイズ

闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

月光浴、とでも言うべきなのか、櫻啼は月の光を浴びながら柔らかくまぶたを閉じる。

静寂に包まれ、瞑想していた。

そこに不粋な足音が聞こえはじめる。

しかし櫻啼は目を閉じたまま、月の光を愉しみ続けていた。

射し込む月の光が仄暗く照すその姿は彫刻のように美しかった。

「よお。やっぱりここか……」

足音が止まり、声をかけられ、櫻啼は目を閉じたまま応えた。

「何の用だ……TOM……」

静寂を邪魔されたサタンは鬱陶しそうに目を開けた。

「相変わらず孤独が好きだねぇ、お前……」

「別にそういうわけではない……だがたまにはこうして落ち着きたいだろ?」

足を組み変えた櫻啼は肘掛けに肘をつき、斜にTOMを見下ろす。

「わざわざお前の方から俺のところに来るなんて珍しいな」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ