テキストサイズ

闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

こうした一部の異端が宗教全体を貶め、宗教と聞けば眉を潜めるというのがすまいる王国の今の有り様だった。

本来は迷える人々の心を救うのが目的の宗教が、迷える人を拐かし、危険思想に陥れる最悪の行為と言えた。

悪魔崇拝教の教団本部は人里離れた山あいにある。

巨大組織ではないがそれなりの規模で、教団の付近はちょっとした町が出来ていた。

「悪魔崇拝教団か……面白い……からかってやるか……」

教会の上を飛行していた櫻啼はニヤリと笑い、ステンドグラス目掛けて急降下する。

教会内部では正にミサの真っ最中であった。


「崇高なる悪魔よっ!! 蘇りたまえっ!!」

教祖が炎の燃える祭壇の聖龜に白い灰を投げ込んだ瞬間----

激しい音を立てステンドグラスが割れ、櫻啼が聖龜の真上に飛んできた。

「おおーっ!!」
「悪魔様の復活だ!!」
「遂に地上に降り立たれた!!」

教徒たちは歓喜の声をあげて櫻啼を迎えた。

「…………えっ?」

本当の悪魔を教えてやろうと意気込んでいた櫻啼は、その歓迎ぶりに思わず戸惑う。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ