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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

麻薬農園から程近い場所にひとつの街がある。

その名は暗部街。
地図に載っていない街だ。

地図に載らないほど小さな街かと言えばそれは違う。

むしろ西の都よりも大きいくらいの発達した街である。
それなのになぜ地図に載っていないのか?
その理由は危険すぎる街だからだ。

この街では麻薬はもちろん、武器の密売、売春、果ては人身売買まで行っている。

この街を仕切るのは政府ではない。
マフィアがルールを作っている。

政府もこの暗部街だけは制圧することが出来なかった。

それは危険さだけではなく、この街の持つ経済力にもあった。

下手にこの街を刺激すればすまいる王国と言えど揺らぐほどの力を持っている。

まさに治外法権の街だった。

しかしいくら無法者の街といってもルールはある。
いや、むしろここのルールは他の街のルールより厳しい。

それゆえ一般の人間はいかにすまいる王国の政府が腐敗していようがこの街に移住しようなどとは夢にも思わない。

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