
とあるホストの裏事情・完
第33章 将悟の憂鬱
ー 研斗side ー
「俺は別にバレてもいいよ?」
相変わらずの憎たらしいくらいのイケメンが、俺の瞳を見つめながらそう言った。
「……うん」
そんなこと言われたら
誰だって照れるだろ、普通……
不意にうつむいていた顔をあげられると、バッチリと目が合う。
ゆっくりと近付いてくる顔にドキドキしながら目を閉じると
将悟が微笑んだような気がした。
「……っ、ん」
添えられた親指で下顎を撫でられ、なんかすごくくすぐったい気持ちになる。
キスすると、すぐに将悟でいっぱいになってしまう。
困ったもんだ。
はむ、と唇を挟まれると、もっとしてほしくなる。
鼻を擦りあわせながら、俺も応える。
「ん、ふぅ…っ、ん」
「…っはぁ、うまくなったじゃん?」
少し垂れた目で俺を見つめるとすぐに唇に視線を移し、今度は噛みつくようにキスされる。
「んっ…はあっ、ちょっと、待っ……んん…っ」
鼻で呼吸をするのを忘れそうになるくらいだ。
キスされている、というよりも、食べられているという感覚。
いつの間にか将悟の下になっていた。
手が早いな……
「ふっう…はあっ、は…今、するの……?」
整わない呼吸のまま将悟に問うと、 妖艶な視線を向けられる。
「ん?やめようか?」
「え……あっ、いや…」
思わず本心が出そうになり、慌てて視線を逸らす。
すると将悟は服を脱がし始めた。
「……したいくせに、素直になってよ」
意地悪く微笑むその表情に
不覚にも俺の蕾がキュンとなった。
