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BL~中編・長編集2~

第1章 ~天使がくれた奇跡~

「はぁ・・・スーツなんて久しぶりに着たよ。」

「似合ってる。」

上着とネクタイを脱ぎ、ソファに腰かけると、駿が隣に座って頬にキスしてきた。

「ほら、イチャついてないで、食器並べるの手伝って!!」

「「はいはい。」」

椿は相変わらずこんな感じだ。

「ただいまー。」

「パパが帰ってきた!!」

玄関から父親の声が聞こえた瞬間、棗はリビングを飛び出して行った。

「僕も行くー。」

少し遅れて、楓もリビングを飛び出して行く。

ほんと、可愛いなぁ。

「ほら、旦那が帰ってきたぞ。 お出迎えしなくていいのか?」

「・・・しょうがない。 行かないとうるさそうだし・・・」

とかぶつぶつ言いながら、椿は食器を並べる手を止め、二人の後を追ってリビングを出て行った。
ほんとは出迎えしたいくせに。

「なぁ、梓。 締め切り近いのか?」

「ん? 今日原稿提出したし・・・・特に近いものはないけど?」

まぁ、おかげで徹夜明けですけどね。

「じゃあさ・・・今夜、いいか?」

「っ・・・うん・・・」

赤くなりながら頷くと、駿は嬉しそうに微笑んだ。

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