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BL~中編・長編集2~

第1章 ~天使がくれた奇跡~

「お帰り、梓。」

「ただいま、椿。」

事故に遭ってから十年。

「楓と棗は、今日もいい子にしてた?」

「「うんっ!!」」

医者も驚いていたけど、僕はあんな事故に遭ったにも関わらず、後遺症などは全く残らなかった。

「棗のパパは?」

「まだかえってこないのー。」

泣き虫で弱虫だった僕も、一児の父親。

「ただいま。」

「おとーさん!!」

「お帰りなさい。」

玄関に長居していたら、駿が帰ってきた。

「お帰り、駿。」

「ただいま。」

「ん・・・」

振り返ると、駿に短いキスをされた。

「あー!! おとーさんだけずるい!! 僕もパパとチューするー!!!」

「ふふ。 はいはい。」

ぴょんぴょん跳ねる楓を抱き上げ、ほっぺに短いキスをしてあげると、楓は嬉しそうにはにかんだ。

「えへへ。」

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