
BL~中編・長編集2~
第13章 ~天然男子の純愛~
「こんな感じかな。」
演奏が終わり、新入生から拍手があがる。
僕は、特に間違えることもなく曲を終えられたことにほっとした。
「あとは…楽器の説明とかします。 初心者の人とか、なにか質問ある人は、俺のところに来て下さい。」
「詩音、お疲れ。」
「!!」
ポンと肩を叩かれて振り返ると、一颯君の姿が。
その傍らには、当然のことのように高羽さんがいる。
「やっぱ、お前上手いな。」
「そ、そんなこと…ないよ…」
い、一颯君に褒められると、すごく嬉しいんだけど…なんか、恥ずかしい。
「九重君、ピアノすごく上手なんだねっ!! 今度私にも教えて?」
「ぁ…え、えっと…うん。」
高羽さんはピアノを担当するつもりなのかぁ…ライバルになるのか…な…?
「あ、あのさ…演奏なんだけど…その…一颯君は、どう思った…?」
「演奏?」
気になったのは僕だけ? いや、でも…露骨に他のパートと力の差が出てたし、一颯君はサックス奏者だから、尚更気がついたはず。
「そうだな…トランペットとトロンボーンは、素直に上手いと思った。 高音も出てるし、音の止めもちゃんとできてたし。
リズム隊も、特にベースの人が上手かったくらいかな。 ドラムの人も、ちゃんとテンポキープできてたし。」
「うん…僕もそう思う。」
でも…ベースの人は、たぶん三年生。 他のパートも、上手い人はみんな三年生だと思う。 原本先輩と神崎先輩が敬語使ってたから。
三年生が抜けてどうなるかはわからないけど、トランペットもトロンボーンも、たぶん夏のコンクールまでにはなんとかなると思うんだ。
トロンボーンには原本先輩がいるし、トランペットにも二年生と思われる上手い人がいたから。
だけど…サックスは、三年生がいるにも関わらず、神崎先輩が引っ張ってる感じだった。 三年生が抜けて、そこに新入生が入るとなると…
「どうした? 気になったことでもあったのか?」
「うん…サックスパートがね、神崎先輩だけが引っ張ってる感じがしたんだ。 失礼だとは思うけど、なんていうか…たぶん、神崎先輩がいなくなったら、サックスパートは曲に乗りきれないと思っ……ひゃっ!?」
一颯君達と話していたら、急にほっぺにひんやりと冷たい感覚が。
驚いて変な声を上げてしまったことに真っ赤になりながら振り返ると、面白そうに笑っている神崎先輩が。
演奏が終わり、新入生から拍手があがる。
僕は、特に間違えることもなく曲を終えられたことにほっとした。
「あとは…楽器の説明とかします。 初心者の人とか、なにか質問ある人は、俺のところに来て下さい。」
「詩音、お疲れ。」
「!!」
ポンと肩を叩かれて振り返ると、一颯君の姿が。
その傍らには、当然のことのように高羽さんがいる。
「やっぱ、お前上手いな。」
「そ、そんなこと…ないよ…」
い、一颯君に褒められると、すごく嬉しいんだけど…なんか、恥ずかしい。
「九重君、ピアノすごく上手なんだねっ!! 今度私にも教えて?」
「ぁ…え、えっと…うん。」
高羽さんはピアノを担当するつもりなのかぁ…ライバルになるのか…な…?
「あ、あのさ…演奏なんだけど…その…一颯君は、どう思った…?」
「演奏?」
気になったのは僕だけ? いや、でも…露骨に他のパートと力の差が出てたし、一颯君はサックス奏者だから、尚更気がついたはず。
「そうだな…トランペットとトロンボーンは、素直に上手いと思った。 高音も出てるし、音の止めもちゃんとできてたし。
リズム隊も、特にベースの人が上手かったくらいかな。 ドラムの人も、ちゃんとテンポキープできてたし。」
「うん…僕もそう思う。」
でも…ベースの人は、たぶん三年生。 他のパートも、上手い人はみんな三年生だと思う。 原本先輩と神崎先輩が敬語使ってたから。
三年生が抜けてどうなるかはわからないけど、トランペットもトロンボーンも、たぶん夏のコンクールまでにはなんとかなると思うんだ。
トロンボーンには原本先輩がいるし、トランペットにも二年生と思われる上手い人がいたから。
だけど…サックスは、三年生がいるにも関わらず、神崎先輩が引っ張ってる感じだった。 三年生が抜けて、そこに新入生が入るとなると…
「どうした? 気になったことでもあったのか?」
「うん…サックスパートがね、神崎先輩だけが引っ張ってる感じがしたんだ。 失礼だとは思うけど、なんていうか…たぶん、神崎先輩がいなくなったら、サックスパートは曲に乗りきれないと思っ……ひゃっ!?」
一颯君達と話していたら、急にほっぺにひんやりと冷たい感覚が。
驚いて変な声を上げてしまったことに真っ赤になりながら振り返ると、面白そうに笑っている神崎先輩が。
