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BL~中編・長編集2~

第1章 ~天使がくれた奇跡~

「今度は君を迎えに来たのかもね。」

「ひっ!!」

にっこり笑いながらそう言えば、男子生徒は僕に背を向けて逃げていった。

「あ、ちょ、待てよ!!」

一緒にいた男子も気味が悪くなったのか、僕を化け物でも見たかのような目で見た後、先に行った男子生徒を追いかけて行ってしまった。

「梓・・・状況を酷くしてどうするんだよ。」

「・・・・いいんだ。 今は、ああいうのに答えていられる余裕はないから・・・・」

これ以上、精神的に痛みつけられるのは辛い。

もう、限界を超えているんだから。

「崇君も穣君も、僕から離れた方がいいよ。 二人まで変人扱いされちゃうから。」

「それは無理。」

「うん。」

二人とも、僕の言葉に迷わず頷くと思ってたのに・・・

返ってきた言葉は、僕が予想していたものとは正反対だった。

「どうして・・・」

「今のお前を放っておいたら、変な気でも起こしそうだしな。」

「そうそう。 それに、今にも倒れそうな顔してるよ? 放っておく方が無理だって。」

二人の言葉に、涙が溢れそうになった。

僕のことを心配してくれているんだ・・・・

「・・・・ありがとう。」

そんな人は、椿と駿以外初めてだ。

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