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「再会」と呼べる「出会い」

第3章 再会日和


「料理部も歓迎会の相談?」

「うん。
 それに体験入部のことも…
 計画練っておこうと思って。
 今年は希望者が殺到しそうだから」

「だよね
 顧問が隠土先生じゃ
 そうなるわ。」

「さっきのお姫様抱っこ
 かっこよかったね!」

「倒れた子、大丈夫だったかな…」

私はなんだか心配だった。
だって本当に顔色悪かったし。

「絶対あれ、計算よ!
 目立とうとしたんだって!」

エミ…よっぽど気に入らなかったんだ。

「ニッキーが貧血らしいって
 言ってたよ。」

ニッキー(二木君)は
園芸部の二年生。
お家が銭湯をやっていて、
リョウ君がそこの常連になっている。
可愛い子を見ると
すぐ好きになっちゃうのが難点だけど
元気で、とても気のいい子だ。
…一時期エミにも片思いしてたなぁ。
玉砕だったけど…。

「ニッキーが
 今、気になってるのって
 あの子だよね。」

「あーっ!そうそう…
 名前はかんどりさん、だっけ?」

林田先生が名前呼んでたなぁ。
かんどりさん…。

「へぇ、“かんどり”っていうんだ…」

エミの一言が
何だか意味ありげで、怖い。

「にっ
 二年生に三人位いなかったっけ?
 “かんどり”さん…」

いないかもしれない。
けど、エミの意識を撹乱させたかった。

「そう?珍しい苗字だし
 そんなにいなかったと思うけど…」

エミの目がすわる。

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