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「再会」と呼べる「出会い」

第20章 見送る人

「は?!
 …いやいやいや
 急に来られても迷惑だから
 やめようぜ」

「何かお土産持っていこう
 お花がいいかな?
 どんな花が好き?」

「だからさ」

「優司先輩 こんなところで
 何してるんすか?」
「久しぶりっス」

道端の花屋に
躊躇なく次朗が入った時だった。
少し懐かしい声が俺に話しかけてきた。

高校のサッカー部の後輩
塩田、凪野、それに木瀬だった。

「おー
 久しぶりだな」

「花?彼女にですか?
 さすがじゃないっスか
 またお願いしますよ
 期待してるんで」

「は?」

「何とぼけてるんスか
 飽きたら回してくれるんでしょ?」
「いつもそうしてくれてるじゃないですか」
「エミいなくなったから
 最近全然なんだよな~」

「…お前ら」

黒い過去を、穿り出される。
胸がえぐられるような感覚。
俺はそういう事を平気でできていたのだ。

「そういうのはナシだ
 今後一切やらない
 お前らもやるな」

「は」

「今更何いい子になってんスか」

「優司さんが作ってくれた
 伝統のせいで俺ら
 大会にも出られなくなったんスよ」

「このまま
 ハイ終わりってなくないですか?」

「…あんなこと
 やっちゃいけないってことは
 お前らだってわかってるだろ?」

「…」
「変わりましたね」

「幻滅~」

「いこうぜ」

「そうそう
 優司先輩がポイした佐伯ですけど」

「…」

ミカがなんだって?

俺は3人を睨みつけた。

「てめぇら何しやがった」

「ダメでした?」

完全に、こいつらは調子にのっていた。

高ぶるこぶしをもう片方の手で押さえつける。

その時

「あっれー
 サンバカだ」

「!」
「!!」
「!!!」

3人の表情が一気に強張った。

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