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「再会」と呼べる「出会い」

第19章 廃墟と花嫁

「あのー…」

「どうした?
 …あ!
 二人を治さないとな」

「そうじゃなくて」

井崎先輩と百瀬先輩に
向き直る隠土先生に、
私は

「おかえりなさい
 してほしい…」


わかるよ わかってるよ!
自分でも
何言っちゃってるんだろうって。
でもね でもね
…あぁ 分かって欲しい。

分かって … なんて
私は隠土先生を見つめた。

「…おかえり」


   …きゅん

先生はそう言って
私の頭をポンポンって
撫でてくれた。


  …ごちそうさまです

なんて
ほんとはキスの一つも
欲しかったんだけどね。
そんなお願い、
この場じゃ流石に無理だって
分かってる。

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