テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第19章 廃墟と花嫁

"悩み"…か

井崎先輩と言えば、
いつも輪の中心にいて
楽しそうに笑っている姿だけが
記憶にある。
何度か声かけられたけど、
私はチャライ人って苦手だから
適当に流してた。

人となりなんて知ろうともしなかった。

私が井崎先輩について
知ってる情報といったら、
表面上だけ、
みんなと共通するものばかりだ。


「なんで井崎先輩みたいな人が
 うちの学校にいたのか
 不思議でした
 有名私立じゃないんだ…って」

「あー だよな
 それ家の方針らしいぜ
 あえて普通の奴らと
 一緒の教育を受けさせて
 そこから這い上がらせる事で
 強い人間に育てるんだって
 じいちゃんに聞いた話だけど」

「意外と子供には厳しいんですね
 甘やかされてた
 わけじゃないんだ」

「だなぁ
 ま 学校に通うために
 専用の家はあったみたいだけど
 一軒家の」

「エッ 家!?
 アパートの一室とかじゃなくて
 家ですか?!」

「すげーよな」

「凄すぎ…」



なんてやり取りしてると

 コンコン

「はーい」

「おかえり 無事で良かった」

隠土先生が来てくれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ