
「再会」と呼べる「出会い」
第18章 冷 え
「お疲れ様」
みんなが帰り、
調理室には
最後の後始末をする私と
隠土先生だけが残っていた。
隠土先生も一応私と同じ立場
…だよね。
二人が付き合ってること
平気なのかな?
「お疲れ
あとは俺がやっとくから
佐伯は帰っていいぞ」
「いえ まだ時間ありますから」
バス時間まではまだあるし
園芸部もまだ
終わってないみたいだ。
「だったら
…少し話すか」
隠土先生が
準備室の入口を指した。
私も隠土先生と
話がしたかったから
そのまま応じた。
「奥井先生は
滅多に来ないから」
言いながら、隠土先生が
お茶を淹れてくれる。
奥井先生はもう一人の
家庭科の先生で、
主に被服専門だった。
パリの有名デザイナーの下で
働いていた経験があるらしい。
今は嘱託として
うちの学校で教えてくれている。
校長先生とは同級生で、
その縁があってこの学校に
赴任して来たらしい。
「ミズカの記憶
戻ったんだって?」
「はい
あの…ハルシオさんの事も
思い出しました」
「そうか
なんか嬉しいな」
隠土先生が優しく微笑んだ。
私達は今
ハルシオさんとミズカとして
話している。
百年以上も前の事なのに
ついこの間の事のように、
様々な記憶がこみ上げてきた。
ハルシオさんは私にとって
本当のお兄さんのような
存在だった。
カラスさんとは真逆で、
真面目で、勉強熱心で、
誰にでも優しくて、
大好きだった。
カラスさんみたいに
私に声をかける男の人を
いちいち脅すようなことは
決してしなかった。
…
なんでハルシオさんの事を
好きにならなかったのか…
それは今
あんなに素敵なリョウ君に
なぜ恋をしなかったのか
という疑問と被るところがある。
違うんだよなぁ…。
「どうした?うかない顔だな
次朗がまた何かしたのか?」
みんなが帰り、
調理室には
最後の後始末をする私と
隠土先生だけが残っていた。
隠土先生も一応私と同じ立場
…だよね。
二人が付き合ってること
平気なのかな?
「お疲れ
あとは俺がやっとくから
佐伯は帰っていいぞ」
「いえ まだ時間ありますから」
バス時間まではまだあるし
園芸部もまだ
終わってないみたいだ。
「だったら
…少し話すか」
隠土先生が
準備室の入口を指した。
私も隠土先生と
話がしたかったから
そのまま応じた。
「奥井先生は
滅多に来ないから」
言いながら、隠土先生が
お茶を淹れてくれる。
奥井先生はもう一人の
家庭科の先生で、
主に被服専門だった。
パリの有名デザイナーの下で
働いていた経験があるらしい。
今は嘱託として
うちの学校で教えてくれている。
校長先生とは同級生で、
その縁があってこの学校に
赴任して来たらしい。
「ミズカの記憶
戻ったんだって?」
「はい
あの…ハルシオさんの事も
思い出しました」
「そうか
なんか嬉しいな」
隠土先生が優しく微笑んだ。
私達は今
ハルシオさんとミズカとして
話している。
百年以上も前の事なのに
ついこの間の事のように、
様々な記憶がこみ上げてきた。
ハルシオさんは私にとって
本当のお兄さんのような
存在だった。
カラスさんとは真逆で、
真面目で、勉強熱心で、
誰にでも優しくて、
大好きだった。
カラスさんみたいに
私に声をかける男の人を
いちいち脅すようなことは
決してしなかった。
…
なんでハルシオさんの事を
好きにならなかったのか…
それは今
あんなに素敵なリョウ君に
なぜ恋をしなかったのか
という疑問と被るところがある。
違うんだよなぁ…。
「どうした?うかない顔だな
次朗がまた何かしたのか?」
