テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第13章 ごめんなさいじゃ足りない

「お疲れ様」

「どうも …」



なんだなんだ?

やたら表情が辛気臭い



さっき会った時
隠土先生が言ってたよな

“一段落ついた”って

それってつまり
ミカか優司先輩と
別れられたって事だろ

俺はそう、解釈したぞ。


…違うのか?


「どうしたんスか?
 らしくない顔してますよ?」

「そう見える?
 俺はいつも通りのつもりだけど」

「…ミカ 
 優司先輩と
 別れたそうじゃないっスか
 良かったですね」


思い詰める理由は
それなんじゃないのか?


「別れた… とは言っても
 一方的な感じだから
 油断はまだ出来ないかな」

「そうなんスか?」

一方的 ってことは
向こうはまだ納得してないってことか


「ねぇ リョウちゃん」

「?」

「リョウちゃんは本当に
 ミカの事なんとも思ってないの?」







「ないですね
 だって俺、大人っぽい感じの方が
 好みなんで
 ミカなんて真逆じゃないっスか」


また… 何言い出すんだよ


「…そっか
 リョウちゃんなら いいのにな」



あー… こいつ バカか



「ミカのベクトルは完全に
 アナタに向いてるじゃないっスか
 受け止めてやればいいでしょ?
 
 昨日だってあれ
 どこからどう見ても両想いでしたよ」



イカ祭り 博物館で
ずっと手ぇ繋いでたよな。
しかもミカの両親の目の前で。

俺らと別れた時
二人で何してたんだろーな。

想像するとニヤけてくるぜオイ。
ミカ、良かったなーって。

だってアイツ
無意識だと思うけど
次朗さんに手を繋がれて
真っ赤になりながら
すげぇ幸せそうな顔してた。


それなのに なんだ?


なんでミカの気持ちを
裏切るような事言ってんだよ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ