テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第13章 ごめんなさいじゃ足りない

「みんなおやすみ
 ドラおじさん
 かんちゃんの事よろしくね」

「おう 任せろ」



神鳥さんに月子の記憶を蘇らせる

その役目は隠土先生から
月子の父親である月王に移行した。

隠土先生の立場を考えれば
これは仕方のない事だ。

…そう思う事にした。



「キヨ 飲み過ぎないでね」

「はーい」


そう、明るく返事をする
清和さんの顔はだいぶ赤い。


「俺もそろそろ
 ごちそうさまでした」

「太郎」

「はい」


立ち上がってすぐ、
月王が呼び止めた。


「たまには少し
 相手をしてやろうか?」






「お願い 出来ますか?」

「只 儂は次朗のように
 甘くはないぞ」

「その位が
 これからのことを考えれば
 丁度いいですよ」


温い場所に身を置くと
うっかり自分の立場を
忘れてしまいそうになるが

俺達は強くならなければならないのだ。


「えー 何々?
 俺、たろちゃんを
 甘やかした覚えなんてないよ」

「あなたはそうでも
 俺は物足りないんですよ」

「はぁ?! 
 まるで手を抜いてくれてた
 みたいな言い方だね」

「…いつまでも
 子供じゃいられないんで」



いつかは
親離れしなければいけない。


「月王 よろしくお願いします」

「よし」




月王

この人はその名の通り
月子、それにエレミムに
引けを取らない力を持っている。


「ま 明日に支障が出ない程度に」


次朗さんはそう言うと
店を出て行った。



*…*…*…*…*…*…*


ストーリーメニュー

TOPTOPへ