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「再会」と呼べる「出会い」

第13章 ごめんなさいじゃ足りない

「どうして未だに手を出さないのか
 甚だ疑問ですね

 アレですか?
 淫魔の血も老いて衰えましたか?」


「…手は出したくなるんだけどね
 一生懸命耐えてるんだよ」



なんだそれ

滑稽だ アンタ淫魔だろ?
他のどうでもいい女には手を出せて
何故一番好きな女の子に手を出せない?



「たろちゃんも
 大切な人が出来れば
 分かるよ

 この意味が」



…は


「それはそれは
 楽しみですね」



「ミカちゃんも
 満更では無さそうじゃがの」

「私もそう思うな
 さっきも帰る時寂しそうだったし
 本当は次朗さんに
 送って欲しかったんじゃないの?」

「今日は月もよう出とって
 好いた者同士歩くには
 恰好のシチュエーションじゃが」

月王は ロマンチストだ。


…そう言えば
佐伯さん なんだか寂しそうだった。



「おしまい!
 この話はおしまい!!」


次朗さんが振りきるように声をあげる

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