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「再会」と呼べる「出会い」

第13章 ごめんなさいじゃ足りない

「先生が片思いしてるのって
 どんな人ですか?」

なんだか少し気になった。
隠土先生が好きになる人って
一体どんな素敵な人だろう。


「え …あぁ
 凄く綺麗で いつも元気で明るくて
 …とても強い人だよ」

「強いんですか?」

「そうだな
 最強 だな 彼女は」


…最強

何か格闘技とかやってるのかな

赤信号で止まると、
隠土先生は
フロントガラスの向こうの
おぼろげに輝く月を見つめた。


「会ってみたいな 私も」

「そうだな
 けどもしかしたら
 会ってるかも…」

「え?」



私が会ってる?
え?? 誰だろ…


「これ、どっちだ?」

「あ!右です
 バス停のすぐ側、あの生け垣の…」



そんなこんなで
あっという間に家に着いてしまった。



「あ」

車を止めて、すぐ



「香田!」


こちらに向かって
リョウ君が走って来る。

日課の、夜のジョギングを
してたらしい。

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