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「再会」と呼べる「出会い」

第13章 ごめんなさいじゃ足りない

白地で、胸の上部と裾の部分に
小花と木の実が刺繍されている。


「使って」

「いいの?
 これ、奥さんの
 大事な形見なんでしょ?」

「そう
 だけど君ならいいよ
 なんならあげる」



「駄目だよ!
 悪いよ!!」

「遠慮しなくていいって
 ほら」


そう言うと
次朗君はエプロンを私に付けてくれた。


…誂えたようにピッタリ


「物はしまっておくだけじゃ
 可哀想だから
 気に入ったなら使ってあげてよ」

「でも」




言いながら
このエプロン、実は元々
自分の物だったんじゃないかという
気がしてきた。

とんだ錯覚だ。

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