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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

「ねーそれって
 何に大して怒ってるの?」






「…さっき本当は
 何かして欲しかった?」




  プ チッ





「そんなにっ…!!
 私の事、からかって楽しい?!
 何度も言うけど私、彼氏いるから!!
 彼の事好きだし、
 向こうからも愛されてるし…
 もう ほっといてっ!!!」









客観視してみるとして
私は何を言っているのだろう。
何、馬鹿な事を言っているのだろう。


愛されてるし?
好きだし?



あぁ 薄っぺらいな…。





「もう  
 私の事はほっといてよ…」



言いたかったのはそれだけ。




なのに





「ほっとかれたい子は
 そんな風に泣かないでしょ?」



この人は…







容赦なく私の中に入ってくる。

入ってきて、私の心を裸にしていく。



感じたくないのに
感じてしまう…





次朗君は私の   何?




「…いつも
 泣かせてごめんね。

 さっきからかった事、謝る。
 少しやり過ぎた…」

「…っ」


油断したら
小さい子が泣くように
大声で泣き出してしまいそうだ。



そんな風に
優しく頬を撫でないで…





「…ごめんね」


「…」








…そんな風に

優しく抱きしめないで…




*…*…*…*…*…*…*

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