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俺はここだよ

第22章 疑い・・・

「マジ何かあったの?
俺でよかったら話してみなよ、リーダー」


そう言うと、智は立ち上がり、俺に近付いてきた。


「どっ、どうした?」

「なぁ、松・・・潤・・・。
ちょっと、立ってくれないかなぁ」

「うん、いいけど・・・どうした?」


智の目の前に立った。
智はしばらく俺を、じっと見つめた。
そして腕をのばしてきた。


「・・・えっ?!」


強く抱き締められた。

久しぶりの腕の中。
俺より少し背が低く、でも抱擁力一杯の腕の中。

智の腕の中、温かい・・・

俺の背中に触れている、細く綺麗な指。
涙が溢れそうになった。

俺も腕をのばし、智を抱き締めたい。
でもそんな事をしたら、バレてしまう。
と言うか、怪しまれてしまう。

智から離れなければ・・・


「おいっ、リーダー何するんだよ!
ちょっと、離してよ」


胸に手をやり、強く突き放した。



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