
溺れる愛
第4章 混沌
「体育館倉庫でっていうシチュエーションも悪くねぇよな。今度こんな話でも書くか」
何気なしに話しながらも、那津の指は芽依の耳を擽るように弄ぶ。
『…っ……』
「もっと色気のある声、出させてやろうか?」
『や…だ……』
(やだよ…やめて…)
ギュッとドアについていた手を握りしめる。
すると、那津が首にチュッと吸い尽く様なキスをした。
『…ぁっ…!』
またぞわっと全身に何かが走る。
「そーそー。その調子」
今度は耳の裏、耳朶、そしてまた首筋に
那津はわざと音を立てながらキスを浴びせてきた。
『…んっ…ぁ…やっ…』
はぁ…と耳に息をかけながらキスをして、
ぐっとお腹に回された腕に力が入り
自然に芽依と那津の腰の辺りが密着する。
「だんだんいい声になってきた」
そっと芽依の左手に、那津の左手が添えられて
指を絡めるようにして握られる。
(やだ…っ、さっきから…何なの…
声なんて、出したくないのに…!)
なおも那津のキスの愛撫は止まらない。
