溺れる愛
第21章 波乱の合コン
ああ、もうヤバいなって思ったよ。
景色が凄くゆっくり見えたから。
だけどさ、落ちた衝撃が
自分が思ってたよりも全然痛くなくて
なんでだ?って思ってたら
那津が受け止めようとしてくれてたみたいで
そのまま俺の下敷きになっちゃったんだよ。
俺、びっくりしてさ。
急いで身体起こして、必死で声かけたんだ。
そしたらあいつ、凄く怒った顔してて。
そんな表情見るのは初めてで驚いた。
あいつ、ずっと何やっても無表情だったから。
それでさ、結局那津は足を骨折してしまったんだけど
その時も絶対痛かったはずなのに、すぐに立ち上がって
俺を押した奴に凄い剣幕で怒鳴ったんだ。
何考えてんだてめぇ!
やって良いことと悪いこともわかんねぇのか!
って。
俺、凄く嬉しくて。
ああ、こいつ。
本当は熱い男なんだなって思った。
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