溺れる愛
第20章 近付けた喜びと陰
それにしても、なんで急に誠司が“改装をしたい”などと言い出したか、ようやく理解出来た。
誠司は…芽依がインテリアコーディネーターになって
東京に出て来ていた事を知ってたんだな。
それでワザと俺と引き合わせたんだ。
それに、本を書けと言ったのも誠司だ。
引きずるくらいなら、自分の想いを形に変えてみろ
なんて言われたら書かずにはいられなかった。
元々頭の切れる奴だって事は昔から知っている。
そこが好きで、それを頼りに
二人三脚でここまで登りつめたんだ。
だけど今回はしてやられた。
まさか芽依とまた会う日が来るとは…。
もう二度と会える事は無いと思っていた。
多分、顔も見たくない程に俺を憎んでいるはずだから。
そう思っていたのに、未練がましく芽依に携帯を残して
解約すらせずにいた。
そしたらどうだ。
泣きながら、俺の身体の心配をして
安心したようにまた泣いて
会いたかったって…。
信じらんねーよ…。
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