
溺れる愛
第17章 社会人編スタート
おじさんは少し驚いた顔をして
でもすぐに表情を柔らかくしてくれた。
「あぁ。あの件の!
いやぁ~こんな若い女の子が来るとは知らなくて。
いやいやすまなかったね。
ちょっと待っててもらえるかな?」
『はいっ。お待ちしてます!…あ…』
「はははっ」
やだ!もう!
緊張しすぎて変な話し方しちゃったよ…
おじさんすごく笑ってたし、恥ずかしい…。
でも、良い人そうでよかったな。
これなら上手くやっていけそうかも?
「お待たせ、お嬢さん。
奥の会議室へ行ってくれるかな?」
にこにこ顔を浮かべた先程のおじさんが案内してくれる。
お嬢さんだなんて…なんだか照れるな。
『わかりました。ありがとうございます!』
そして私は、言われたとおりに営業部内の奥にある
会議室へ向かった。
「もうすぐ担当者が来ますので、少々お待ち下さい」
若い女の子がお茶を運んできてくれる。
『あ…お構いなく…』
そして、少し広い会議室にポツンと一人取り残された私は
出された緑茶に一口、口を付けて担当者を待った。
