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溺れる愛

第2章 衝突






四限が終わるチャイムが鳴って、皆がお昼休みに浮かれる中
芽依は森山に声をかけた。


『あの、森山くん…。お弁当先に食べる?』


芽依の声に森山は少し顔を上げて



「どっちでもいいけど。あんたは」



(わ…目が合った…。)



『あ…じゃあ、先に職員室行こう?
その方があとでゆっくり出来るよ』



森山は返事をせずに立ち上がると、そのままスタスタと教室を出て行ってしまった。



『あ、待って…』



芽依もその後をすぐ小走りで追いかけて走った。



(メガネかけてるけど…たぶん、外したらすごく綺麗な顔してる…。二重の切れ長の目だったな…)


思わずドキリとしてしまうほどに
森山の容姿は整っていた。



『待って、森山くん…!』



(あ、歩くの速い…!)


「………」



(あーそう。無視ですか。

もっと愛想良くしたらモテそうなのに。)


少し恨めしい気持ちで森山の背中を見つめながら
職員室を目指して歩いた。



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