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甘い恋の始まりは最悪の出会い

第2章 虎我の過去

三年前。

大学を卒業して今の会社に入りたての頃。

俺は何を任されてもミスばっかりして、上司に怒られっぱなしだった。

当時、美咲はまだ係長にはなっていなかったが、だいぶ会社内でも仕事が出来ると評判の女性だった。

けど俺は一切関わることは無かった。

というか、関わる機会が無かった。

そんなある日

「今日、新入社員歓迎会やろうぜ!」

突然部長がそんな事を言い出した。

当時の部長は今の部長と違って、唐突に物事を始める
人だった。

しかも、ガタイのいい男で反対したら殺されそうたがら、皆部長の言うことは絶対命令としていた。

俺もその絶対命令に従うべく、新入社員歓迎会へ参加した。

場所は貸切の居酒屋。

よく当日に貸切出来たな!と不思議に思っていたら、部長の友人の店なんだそうだ。

そりゃ、まぁ貸切に出来るわな。


居酒屋に入って1時間くらい経ち、皆そろそろ酔いが回り始めたのか、ワイワイ、ガヤガヤと盛り上がり始めた。

俺はというと隅っこで、ゆっくり自分のペースで飲んでいた。

社内でとくに仲いい仲間、友人がいるわけでもなく、いつも怒られてばっかりな俺はイマイチ盛り上がれなかった。

それに俺、兄貴と違って目つき悪ぃし
言葉遣い悪ぃし余計に人なんか寄ってこねぇ。

早く終わんねぇかと思いながらぼーっと酒を飲んでいた。

コトン

突然ビールの入ったコップを俺の席のテーブルに置かれた。

見上げたら、美人の女が立っていた。

しかも俺とは全く無縁の仕事が出来る噂の
藤澤美咲さんだ。

そして俺の顔を見るなり、

美「前いいかしら?」

俺の前の空いてる席を指しながら言った。

虎「どうぞ。」

俺がそう答えると藤澤さんは椅子に座った。

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