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片想いの行方

第49章 償いの理由


他の食材も同時に取り入れて、手際良く準備を進めていると


ソファから立ちあがったヒメが、後ろから覗き込んできた。




「色んな動きがすげー早いな。
プロの料理人みてぇ」


「……/// 大袈裟だよ…
ヒメ、卵焼きは甘いのとしょっぱいのどっちが好き?」


「……卵焼きに甘いもしょっぱいもあんの?」




ヒメの質問に、私は振り返った。




「高校の時とか、お母さん作ってくれたりしたでしょ?
その時とか、どっちだった?」


「お前、うちの女2人が普通の家庭と同じだと思ったら大間違いだ。

あいつらがまともな料理をしたことなんて一度もない」




ヒメは4人家族で、女2人というのはお母さんと、お姉さんの麗子さんの事だ。




「弁当なんて途中から諦めてたよ。
卵焼きなんて、黒いか黄色いかだったし」



「……ぷっ……///」





思わず笑ってしまった。




確かに、あのバリバリでかっこいい麗子さんが料理をする姿は、想像できないかも。

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