
片想いの行方
第49章 償いの理由
「………!」
そ、そういえば……
昨日一条さんのマンションからここに来るまで、何も食べていない。
ジャズバーではビールを1杯飲んだだけだった。
私は夜ごはんは食べない日の方が多いけど
あれだけ唄ったりもしたんだから、普通はお腹すくよね……
あ……そうだ……
昨日の……
「……ヒメ、私何か作るよ」
昨日持って帰って来た食材があるのを思い出した。
「…………」
ヒメは少しの間何も言わなかったけど、しばらくして私から体を離して、起き上がった。
「いいよ。
お前、普段から無理矢理作らされてるんだろ。
今日くらい休め」
「…………っ」
……その優しさに、心がきゅうっと締めつけられる。
ヒメはベッドから起き上がってリビングに向かった。
