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片想いの行方

第47章 探り合い





「……ヒメ……


もしかして、ここで働いてるの………?」




さっきのロッカーを平然と開けたあたりで、なんとなく怪しいって思ったけど。



今の店員さんとの会話で、その可能性がぐっと縮まったよ。





ヒメは足を組んで座り直すと、しれっとして答えた。




「毎日じゃねーけど」


「……………!?」



毎日じゃないけど………けど!?


驚きすぎて、しばらく呆気にとられる。




ヒ、ヒメがバーテンダー!?


似合いそうだけど、てゆーかそれ以前に……





「……ヒメ、うちに正社員で入ったんだよね?」

「当たり前だろ」

「……! じゃあダメじゃん!」

「何が」

「な、何がって……掛け持ちってことでしょ!?」




私が少し声を大きくしたところで



店員さんがビールを運んできた。






「ごゆっくり」




「…………………」




その人はニコっと笑った。






………つまり、あなたはヒメの同僚ってことだよね……?



ヒメはうちの会社に入社したんですよ?




………知らないよね? 

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