
片想いの行方
第19章 一緒にしないで
RRRRRRR…
その時、携帯が鳴った。
「……はぁ…はぁ……」
あたしは足を止めて、ポケットから携帯を取り出す。
「…………っ」
ディスプレイには、ヒメの文字が浮かんでいた。
あたしはゆっくりと携帯を耳にあてる。
「…………はい…」
『美和?』
「………っ」
ヒメの声が響く。
『水泳教室終わったんだろ?
なんで報告してこねーんだよバカ』
ヒメ……
いつも通りのヒメの声。
あたしはまた涙が込みあがる。
『……美和?』
「……っく……。ヒメ………」
『……お前、泣いてんの?』
