
片想いの行方
第19章 一緒にしないで
ドクドクと不穏な音が全身を駆け巡って
くらっと立ちくらみがする。
あたしはお財布からお金出してテーブルの上に置くと、何も言わず、逃げるようにテラス席を出た。
優香さんが後ろから呼ぶ声がしたけど
あたしは振り返らずにお店を後にした。
電車に乗る気にはなれずに、高校まで続く並木道をひたすら走った。
全力で走って拭い去ろうとしても、優香さんの言葉が脳裏から離れない。
『2人を知って、あなたも揺れてるはずよ……?』
やめて……
『美和ちゃんも感じたはずよ?
…あなたにも、私の気持ちが分かるんじゃなくて?』
やめて…!
あたしは違う…!
