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薫子の先生な日常

第2章 Kとわたし

「自分がやったことの落とし前もつけられないヤツはグラウンドに立つ資格はない。」

低いトーンでゆっくり目を見ながら言うと、川原はうなだれた。

「K…悪い、新井に無理って言って?」

「先生、俺が代わるから。15分だけでいいから、頼むから。お願いします。新井、マメをつぶしてから久しぶりに投げるんだ。」

「…」

川原はちょっと泣きそうな顔をした。

「……。川原、持って帰ってやってきな。かあちゃんに手伝ってもらうんじゃないよ。」

川原はきゅっと頷くと、ペコリと礼をして、サボテンをそっと胸に抱いて走って行った。

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