
隠れて甘いkissをして
第75章 誇り
「………綺麗ね……香……」
ベールの下で微笑む香ちゃんを見て、アンジーがうっとりとして呟く。
「……………っ」
白いタキシードに身を包んだ立花と
その腕にそっと手を添えた、ウエディングドレスの香ちゃんを見て
私は既に泣きそうだった。
指輪を交換した2人が、幸せそうに見つめ合い、微笑む。
結婚式には今までも何回か出たけれど
こんなにも溢れる愛を感じるのは、初めてだった。
「由宇、しっかり見とけよ」
祝福の言葉と拍手が溢れる中、退場する2人を見つめていた私の後ろから
隼人が耳元で囁いた。
「次にあの真ん中の道を歩くのは
お前だからな」
