
隠れて甘いkissをして
第75章 誇り
2人の結婚式は、青山の閑静な住宅街を抜けた先にある、小さな教会で行われる。
チャペルの横に、披露宴専用のレストランがあった。
「それにしても。
出席者ってこれだけしかいないのぉ?
あの2人ってどっちも友人が多そうだし、ケチってないでもっとどデカくやりゃーいいのに。
アタシは盛大な方が好きだわ」
石畳みの階段の上から覗き込むような形で
チャペルの前で待つ参列者を見下ろしながら、アンジーが呟いた。
「今日の式と披露宴は30人くらいだけど、また別枠でお祝い会をやるって言ってたわ」
私が話すと、隣りでシゲさんが頷く。
「招待状に、律儀に書いてあっただろう。
『当日、出席者に有名人がおりますが、主役は私達ですので宜しくお願いします』って。
誰かさんに気を遣って、少人数にしてくれだんだよ。
………なぁ? 隼人 」
私達3人から、一斉に視線を受けると
「………彰のやつ。
本当に俺のこと好きだな」
隼人は満足そうに笑った。
