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隠れて甘いkissをして

第72章 旅立ち

「いいなぁ♡ 咲原先輩。
あんな超高級マンションの最上階に住めるなんて……
めちゃくちゃ憧れます」



香ちゃんがうっとりして呟くと、隼人がにっこりと笑う。



「いつでも来てやってよ。
由宇も香ちゃんがいてくれたら心強いだろ。

あ、お前は違うぜ彰。
お前は入室厳禁だからな」


「………分かってるよ」



立花のムスっとした顔に、みんなが笑った。




………去年のクリスマス明けから、私は隼人のマンションで過ごすようになっていた。


隼人が旅立つにあたり、大勢の関係者や仲間、友人達が彼とのしばしの別れを悲しみ、彼を応援した。


隼人は本当に忙しそうだったけど


時間が合わなくても、少しでも一緒にいたいと言ってくれた隼人が、私を家に呼んでくれたんだ。




それは隼人が出発するまでの、短い同棲だと思っていたんだけど


隼人の希望とシゲさんの後押しもあって


私は1人暮らしをしていた自分のマンションの契約を解除して、隼人の部屋にそのまま住むことになった。



………2年後、隼人が帰ってくるまで。

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