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隠れて甘いkissをして

第70章 2人の心


「由宇。

3月1日に、俺は日本を旅立つ」




由宇が、真っ直ぐ俺を見た。


その目から涙がこぼれ落ちる。





「それまで、できるだけ一緒にいよう。


残された俺の時間は、すべてお前と共に過ごしたい。


そして……」




粉雪が俺と由宇の間に舞い落ちる。


風に乗って、波の音が微かに響いた。




「向こうで全てが終わったら



俺は真っ直ぐにお前のところに帰ってくる。



必ず……由宇を真っ先に抱きしめるから。



それまで……



どうか……待っていてくれ………」

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