
隠れて甘いkissをして
第70章 2人の心
このまま……連れていきたい。
由宇を小さくして、俺の手のひらに乗せて
クリスマスプレゼントに欲しいといった、あの道具が本当にあるのなら
俺は迷わず由宇を連れ去っていくだろう。
そんな事まで考えてしまう俺は、それ程由宇に精神を支えてもらっている。
離れてしまうことに、俺は震えるほどの恐怖を感じていた。
俺が由宇を愛し続ける事があたり前でも
由宇はそうじゃないかもしれない。
逢いたい時に逢えず、辛い時に傍に居てやれない。
お互いの想いが強くても、どれだけ相手を思いやっていても
距離に負けて離れてしまう恋人達は星の数ほどいる。
それでも……
俺の背中を押してくれた彼女の決意を
俺が壊してはいけない。
