
隠れて甘いkissをして
第64章 内緒の準備
12月に入って…
夜になると寒さは一層厳しくなり、冬本番が来たと実感する。
渋滞が続く二車線の左側に、車線を変更して
すぐ横の歩道に目をやった。
「…それにしても」
アタシは思わず呟く。
「どいつもこいつも12月になった途端、アホみたいに浮足立ってるわね。
このクソ寒い中…
まぁ~あのカップルなんてお熱いこと」
イルミネーションが輝くメイン通りの歩道を、ひとつのマフラーを巻いた男女が、嬉しそうにアタシが運転する車の横を通り過ぎていく。
クリスマスまで、あと2週間くらいだ。
「けっ、今時あんなことするかっつーの」
のろのろ進む車がちょうど交差点の手前に差し掛かったところだった。
「アンジー、その先で車停めて」
