
隠れて甘いkissをして
第61章 夢じゃないよね?
「大丈夫です…、私電車で帰れますから…」
咲原先輩が弱々しく言う。
「ダメですよ!」
主任が口を開く前に、あたしが横から割って入った。
「先輩そんな状態で無理ですってば。
安静にして、立花先輩の車で帰ってください!」
そう、咲原先輩は本当に辛そうだったから。
あたしは心からその方がイイと思ったんだ。
そう言った後、あたしは主任に向き直って続ける。
「主任、香今日は予定も無くヒマなんで。
咲原先輩が途中までやってた、週明けの会議で使う資料だけは用意しておきます」
「そうか! いやー助かるよ」
主任がホクホクと喜ぶ隣りで、咲原先輩は頭を下げた。
「本当にごめんね、香ちゃん…」
「お安い御用です!!」
あたしは元気良く返事をして、2人を見送った。
