
隠れて甘いkissをして
第60章 暫定彼女
「確かにあの時は心揺れたんだけど」
「揺れたんだけど? …けど!?」
先輩は、身を乗り出したあたしをじっと見つめた後、首を傾げる。
「海老沢のこと、本当に好きなのかどうか、まだわかんない」
ガーーーン!!
な、なにそれーーー!!
こんなにあたしをメロメロにさせといて、今更それはないよー!
あたしは顔を机に突っ伏した。
「…っ、やっぱりまだ…
咲原先輩の事忘れられないってことなんですね…」
「いや、それは無い。
あんな公開告白見せられたしな」
「! じゃ、他に誰か気になる人が出来たんですか!?」
「それも無い。
あれからまだ1ヶ月も経ってねーじゃん」
