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隠れて甘いkissをして

第54章 それぞれの道へ


麻里奈が俺の手をギュッと握りしめて、深く頷いた。




「………アキくんもね」


「……ん?」


「アキくんも、素敵な相手を見つけてね。

………麻里奈はもう、大丈夫だから」




麻里奈は、涙を拭いてふっと微笑んだ。




「……あぁ。 ありがとう」




その嘘のない笑顔を見て


ずっと心の中にあったわだかまりが


すうっと消えていく。






俺はそっと、麻里奈の手から自分の手を離した。




それが……お互いがそれぞれの道に進む




本当の意味での、別れになった。




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