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隠れて甘いkissをして

第54章 それぞれの道へ

「いや、俺は何も………」




コーヒーの温かさが、手から全身に伝わる。




「咲原が無事だったことが、分かっただけで……… 」




だんだんと手足に血がめぐる感覚が戻ってくると


俺は立っているのがやっとだったことに気付いた。




………事故と聞いて、内心パニックだった。


でも、俺よりも恐怖に震えているこの男を………


咲原が誰よりも求めている七瀬隼人を送り届ける



それだけを考えて、ここまで無心になって来ることができた。





そして今、咲原の姿を見て……




俺は………







「……………っ」







「………あんたも


由宇が好きなのね。


………いいのよ。


アタシしか見てないわ」


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