
隠れて甘いkissをして
第51章 対決
「……あんたねぇ」
アンジーが溜息をついて立ち上がり、彼女に近付く。
「さっきから黙って聞いてれば、可愛い顔してやってること気持ち悪いわね。
盗聴による名誉毀損で訴えるわヨ。
だいたいこんな趣味の悪い事して何が楽しいわけ?
目的は何なのよ。
金?」
彼女に詰め寄るアンジーは、いつもの高い声とは違い
恐怖を感じるくらい、ドスの効いた声だった。
「……お金なんていらないわよ。
私は、アキくんを取り返したいだけ」
一瞬怯んだ彼女も、負けじとアンジーを睨んだ。
「それに、自分だけ幸せなこの女を許せない。
今聞いた話をバラしまくって、七瀬隼人を芸能界にいられなくしてやるわ」
「…………!」
「ふふっ。
自分の母親に “ イタズラ ” された人気俳優なんて
いかにも騒がれそうで、面白そうじゃない?」
