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隠れて甘いkissをして

第36章 告げられた現実

彼女は体を元に戻して、再びタバコを咥えた。

ライターを付ける手が震えている。




「……『紅の彼方へ』をみた感想は?
どう思った?」

「………えっ?」




急に話が変わり、私は戸惑う。

何も言えないでいると、彼女が私を見た。




「まさか知らないなんて言わないわよね?

隼人の主演デビュー作」


「……あ……!」


「新人賞から始まり、その年のあらゆる賞を総ナメにしたじゃない。

あなた、隼人の作品どこまで見てるのよ」




………私………


私は今度こそ、本当に何も言えなくなってしまった。

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