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ももいろタイム【完】

第16章 おとぎ話のような。




試験が終わった。
でも、あの子が気になった俺は、いつものように図書館に行った。


相変わらず遠巻きに、こちらを伺っている。

あの日から、距離は縮まったようだ。

あの子と話せたら、とわくわくする。



そんなある日、ふと気付くと足元にいた。


「やぁ、斗真だよ。君は?」

「………」


まだ戸惑っているのか、じっと俺を見ている。

にっこり笑って、もう一度。


「言葉が分かるなら、頷いてほしいな」


すると、コクリと頷いてくれた。


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