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華のしずく~あなた色に染められて~

第23章 【夕桜~華のしずく~】其の弐~夕桜~

「たとえ、そなたがどれほど拒もうと、そなたは俺のものだということだ。そなたが兄上の妻であろうとなかろうと、俺には所詮拘わりのなきこと、かつては兄の妻であったことは事実ではあっても、兄上亡くなられし今、この国に住まう以上、そなたは俺の所有に帰したのだ」
「実家へ、白虎の国へ帰りまする!」
 帰蝶が夢中で言うと、秀康の整った顔に酷薄な笑みが浮かんだ。

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